「(前略)先週20日、政府は2020年度予算案、並びに2019年度補正予算案を閣議決定しました。
一般会計総額は過去最大の102兆6580億円。昨年度の当初予算と比較しますと+1.2%、額にして1兆2009億円の増ということでございます。
これは、高齢化を背景に医療費など社会保障費が増加する一方、消費増税による税収は過去最高が見積もられた形で、政府は来年1月召集予定の通常国会に予算案を提出し、年度内成立をめざすとしています。
そこで今朝は、予算案の内、私ども公明党が主張した主なポイントについてご報告したいと思います。
まずは「教育負担のさらなる軽減」です。
具体的には、来年4月から大学など高等教育の無償化(4882億円)が始まります。
所得の低い世帯の学生を対象にした返済不要の「給付型奨学金」と「授業料減免」の2つの制度が大幅に拡充され、最大で全学生の2割に相当する75万人程度が対象となる見込みです。
そのほか、年収約590万円未満の世帯を対象に私立高校授業料の実質無償化(4247億円)なども盛り込まれています。
2つ目のポイントは「経済対策の着実な実施」です。
先行き不透明な世界経済や、来年の東京五輪・パラリンピック後の景気変動を見据え、19年度補正予算案と合わせた「15ヶ月予算」として、個人消費や投資を切れ目なく下支えしていくとのことで、キャッシュレス決済へのポイント還元事業(2703億円)、住宅購入を補助するすまい給付金(1145億円)、来年9月に始まるマイナンバーカード保有者への買い物ポイント付与(2478億円)などの施策が盛り込まれました。
また、日本経済の大きな柱である中小企業への支援策では、ロボット導入など設備投資に活用できる補助金を、過去最高規模となる3600億円確保し、生産性向上を強力に後押しするとともに、事業承継を円滑に進めるため一定の要件を満たした場合は個人保証を不要とする新たな信用保証制度が創設されることとなります。
その他、被災した複数の中小企業が連携して事業に取り組む際に申請する「グループ補助金」については、19年度からほぼ倍増となる140億円が計上されます。
3つ目は「防災・減災対策の強化」です。
近年頻発する大規模自然災害を踏まえ、特にインフラ整備を柱とした「国土強靱化のための3カ年緊急対策」の実行が急がれますが、その着実な推進に向け1兆1432億円を充て「災害に強い国作り」を進めていくとのことであります。
特に、本年9月の台風15号・19号被害からの復旧復興は急務ということで様々な支援策が盛り込まれていますが、本県も今年は西日本豪雨災害からの復興元年であり、かんきつ園地の再編復旧をはじめ未だ緒に着いたばかりの現状でもあります。本予算がどれくらい確保できるか、箇所付けはどうか、しっかり注視をしてまいりたいと思います。
次に、公明党ならではの視点で盛り込まれた「暮らしに安全安心」をお届けする施策についてであります。
まず1つは「高齢者の安全対策」です。
高齢ドライバーの事故が相次いでいることから、私たちは対策の1つとして安全運転機能を持つ車の購入支援を訴えてまいりましたが、19年度補正予算案に、65歳以上の高齢者を対象に衝突被害を軽減する自動ブレーキや、アクセルを踏み間違えた時に急加速を抑制する装置などを搭載した「安全運転サポート車」について、購入を支援する予算が盛り込まれました。
車種や機能によって最大10万円が補助されるほか、現在乗っている車に急加速抑制装置を後付けする場合にも、最大4万円が補助されます。
特に、高齢者の自動車保有率が高い本県では、これが実現すればかなりのニーズがあるのではないかと思いますし、事故防止の一助になるよう期待を寄せたいと思います。
もう1つは「就職氷河期世代への支援」です。
バブル崩壊後の不況期で就職難だった「就職氷河期世代」の就労支援については「今後3年間を集中期間として取り組む」とし、具体的には、ハローワークに専門窓口を設置して生活設計の相談や職業訓練のアドバイスを行ない、就職後の職場定着まで一貫した支援を実施するとともに、短期資格取得コースの創設や、ひきこもりサポート事業の強化が盛りこまれました。
また、氷河期世代の失業者を正社員として雇用した企業への助成金も拡充されるとのことで、1人でも多くの方の支援につながることを期待したいと思います。
本日は、先週、閣議決定された政府の2020年度予算案、並びに2019年度補正予算案の概要について、特に公明党が主張した主なポイントについてご報告させて頂きました。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 10:18