「(前略)地球温暖化対策を話し合う国連の会議「COP25」が、先週2日、スペイン・マドリードで開幕しました。
来年、本格運用が始まる(温暖化対策の国際的な枠組みである)「パリ協定」に沿って温暖化ガスを着実に減らすため、
加盟各国とも削減目標の大幅な引き上げが迫られる中、わが国は国際社会からかなり厳しい視線が注がれる状況となっています。
また、国内におきましては、今月12月は「地球温暖化防止推進月間」ということでございますので、今朝は「地球温暖化対策」について、この間の公明党の取り組みについてご報告したいと思います。
まず、「地球温暖化防止推進月間」ですが、今から22年前の1997年12月に京都で気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)が開催されたことに因んで設けられました。
以降、京都議定書に照らす形で、私たち公明党は様々な取り組みを推進してまいりました。
たとえば、「クールアース・デー」の創設です。
2008年のG8、いわゆる「洞爺湖サミット」が七夕の日に開催されたのですが、それに先立ち、公明党青年局が約68,000人の署名を集め、当時の福田総理に「クールアース・デー」の創設を求めたことが契機となって、毎年7/7が「クールアース・デー」と定められました。
この間、さまざまなキャンペーンが展開されてきましたが、2003年から始まった「ライトダウンキャンペーン」も、その一つです。
この日は家庭や職場で、できる限り電気を消して、天の川を見ながら地球環境の大切さを再確認しよう、との主旨でスタートしましたが、おかげさまで全国各地に運動が広がり、そして省エネ意識が高まり、
何と言ってもCO2削減効果の大きい「LED照明」が私たちの暮らしになくてはならない必需品として定着するようになりました。
そのほか例えば、エコカー減税やエコポイント制度の導入、省エネ製品の普及にも、私たちは全力で取り組んでまいりました。
自動車におきましては、この間、5台に1台がハイブリッド車に切り替わっており、特に最近4年間は倍増する勢いで電動化が加速してきています。
本年6月、政府は「パリ協定」の目標達成に向けて温室効果ガスの排出量を大幅削減するための長期戦略を閣議決定しましたが、その中で、国として初めて温室効果ガスの排出を実質ゼロとする「脱炭素社会」を掲げ、「今世紀後半のできるだけ早期に実現することをめざす」としております。
実は、この長期戦略、公明党の主張が数多く盛り込まれているのです。
温室効果ガスの排出低減を図るためには再生可能エネルギーを将来の主力電源にしていく必要がありますが、昨年、政府が決定したエネルギー基本計画には、私たちの提言を受け「再エネの主力電源化」が盛り込まれました。中でも、陸上風力発電の5倍の電力を生み出すとされる「洋上風力発電」への期待は高く、今後は、設置しやすくするための法整備とともに、技術開発に力を入れてまいります。
電気のエネルギーを貯蔵・運搬できる「水素」への期待も高まっています。政府は2017年12月に「水素基本戦略」を策定しており、私たちもこれまで以上に水素社会の構築に向け取り組んでまいりたいと思います。
また、CO2を減らす緩和策とともに、進展する気候変動への適応策も重要です。
公明党は2018年6月に公布された「気候変動適応法」の制定をリードしてまいりました。
法律の制定後、農林水産業における高温耐性品種の開発・普及や、激甚化する自然災害への対策、熱中症予防対策の推進など、各分野において、国が気候変動適応計画を策定し、効果的な適応策を推進することとなり、国の計画を受ける形で、都道府県及び市町村は「地域気候変動適応計画」の策定に努めることとなりました。ネットワーク政党として、しっかりと国と地方が連携しながら推進してまいりたいと思います。
昨今、記録的な猛暑が続きますが、熱中症等でお亡くなりになった方々の事案を踏まえますと、熱中症予防対策は待ったなし。
そんな思いから、私たちは昨年、国と地方がそれぞれの議会で声を上げ、補正予算において公立小中学校の普通教室へのエアコンの設置を強力に推進いたしました。
その結果、普通教室のエアコン設置率は、昨年の約60%から今年度末には90%になる見込みとなり、学校への設置が飛躍的に進むこととなりました。
本年8月、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、世界の「土地利用と気候変動に関する特別報告書」を公表しましたが、その中で、地球温暖化が食料を安定供給する上で重大なリスクとなっていると指摘し、生産から流通・加工・販売・廃棄までの食料システムから出る温暖化ガスが、人の活動による排出量の最大4割弱となるという試算を示しました。
その意味で「食品ロス」の問題は、間違いなく地球温暖化の一因となるのですが、公明党はこのことについていち早く党内にプロジェクトチームを設置し、全国各地の調査や関係団体からのヒアリングを進め、2016年5月、政府に提言を行いました。
この提言がもととなって法案が作成され、私たちは一貫して、超党派の合意形成に汗をかきながら「食品ロス対策基本法」の制定をリードし、本年10月から施行されるところとなりました。
今後も「地球温暖化対策」の推進に全力で取り組んでまいりますとともに、国際社会とも歩調を合わせながら「脱炭素社会」の実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 18:43