「(前略)・・幼児教育・保育の無償化がスタートして、約2カ月が過ぎようとしています。
私たち公明党は、2006年に発表した「少子社会トータルプラン」で“幼児教育無償化”を重点政策に掲げ、所得の低い世帯や多子世帯などを中心に、段階的に、着実に、負担軽減を実現してまいりました。
そうした長年の取り組みが大きく実を結んだのが、今回の“幼保無償化”です。
制度導入以降、たくさんの子育て世帯の皆様からお喜びの声を頂いておりますが、同時に、制度のさらなる充実に向け、新たな課題やご要望も承っております。
そこで今回、無償化実施後の評価を把握するため、全国の公明党議員が子育て家庭や施設関係者にアンケートを行う「幼保無償化に関する実態調査運動」をスタートいたしました。今朝はこのことについてご報告したいと思います。
まず、制度の概要ですが、
今回の無償化は3歳~5歳(就学前の3年間)の全世帯、0歳~2歳児の非課税世帯の約300万人の子どもたちが対象で、幼稚園や認可保育所、認定こども園、障がい児の発達支援などの利用料が無料となります。
幼稚園の内、子ども・子育て支援制度の対象外の施設は(各幼稚園が保育料を決めていますので)、最大で月額2万5700円の補助となります。
識者からは「極めて画期的なこと(無藤隆・白梅学園大学大学院特任教授)」等と評価されており、利用者からも「年約30万円の補助は大きく、教育費の負担が減ってありがたい」など、喜びの声が寄せられています。
全世代型社会保障の構築に向けた重要政策である今回の“幼保無償化”には、「少子化を克服する」「子育て世帯の負担を軽くする」という、国としての強いメッセージが込められています。
未来の宝である子どもたちを社会全体で育てていく大きな第一歩、と私たちは考えています。
そして、その上で大事なことは、“政策効果をさらに高めていくこと”です。
実現した政策の効果や成果について検証を怠らないこと、そして課題が見つかれば迅速に対応することは、政党としての責務であります。
実際、“幼保無償化” の実施からこの間、さまざまなご指摘を頂いております。
例えば、幼稚園として認可を受けていない「幼稚園類似施設」は無償化の対象外ですが、幼稚園と同様の教育を行っているので同じように支援してほしいという声、また、「新たに給食費が取られるようになった」という声も少なくありません。
給食費のうち副食費分(おかずや、おやつ代など)は、幼稚園では従来から実費負担でありましたが、今回から保育所でも(3~5歳児は保育料から切り離して)実費を負担頂くこととなりました。
このため、保育料を独自に無償化していた自治体の中には、徴収業務など負担が増すケースがあることも判明しています。
他にも、預かり保育の利用が増え、保育士不足が顕著になっていることから、さらなる処遇改善など人材確保を促す施策も欠かせませんし、保育の質の向上に向けた対策も一段と進める必要がございます。
そうした意味では、今回の幼保無償化はゴールではなく“新たなスタート”といえます。
義務教育の無償化以来70年ぶりといわれる大改革だからこそ課題も出てまいりますし、より良い制度にするためには絶えざる検証と改善が求められます。
これまで保育に関する支援は自治体の独自性を踏まえた形で推進してきましたので、“幼保無償化”で浮き彫りとなった課題は地域や個人によって実にさまざまです。
そうした課題の解決に向けて、まずは実情を把握し“見える化”することが重要との考えから、公明党はこの度、全国一斉に、子育て家庭や施設関係者を訪問して「声を聴く運動」を展開することといたしました。
アンケート形式の調査票に記入して頂きながら、“生の声”を聴く調査活動です。ぜひこの機会に皆様の声をお聞かせください。
そしてお預かりしたお声を、来年度の国や本県の予算に反映することができるようしっかり取り組んでまいりたいと思います。
今回の“幼保無償化”が、子どもたちに等しく充実した教育環境を実現し、大改革としてしっかり実を結ぶよう、全力で取り組んでまいりたいと思います。
本日は、公明党の「幼保無償化に関する実態調査運動」についてご報告いたしました。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 18:19