「(前略)・・・先日、新聞各紙で「あおり運転」に関する記事が掲載されておりました。
悪質な運転に対して免許取り消しができるよう、現在警察庁の方で制度改正を検討中とのことでありましたが、今朝はこのことについてご報告したいと思います。
今から2年前の2017年6月、神奈川県内の東名高速道路において、あおり運転を受け無理やり停止させられた車にトラックが追突し、ご夫婦が亡くなる事件が発生しました。
翌7月には大阪・堺市で、あおり運転の車に追突されたバイクの大学生が死亡する事件が発生。
そして本年は8月には、茨城県の常磐自動車道で、男性が執拗なあおり運転を受け車を停止させられ顔を殴られる事件、また、9月には愛知県内の東名高速道路で、男が前方の車をあおりエアガンを発射する事件が発生しました。
こうした痛ましい、信じられない事件が近年、相次いでおります。
記事によりますと、道路交通法の車間距離保持義務違反に関する昨年1年間の摘発数は、その前年の2倍に当たる13,025件。
そしてその内、11,793件、つまり9割が高速道路上において発生しているとのことでありました。
本県でも昨年8月に四国で初めての摘発者が出ておりますが、これらの違反点数はいずれも1~2点に留まるため、事件の抑止に繋がっていないというのが現実であります。
私たちの周りでもあおられた経験を持つ方は少なくありませんし、私自身、高速道路を運転中、目撃も含めて、ヒヤリとした体験は何度となくございます。
それくらい身近な社会問題である「あおり運転」ですが、先ほど述べました通り、現行ルールでは、たとえ悪質で危険な運転であっても、実際、事故を起こして危険運転致死傷容疑などで摘発されない限り、免許取り消しにはなりません。
その最大の要因は、道路交通法違反等の法令に「あおり運転」に対する規定がないことであります。
このことにつきましては、これまでも政府・与党内からも法改正が必要との声が上がっておりましたし、事件が後を絶たない現状に対し厳正な対処を望む国民の声がますます高まる中での、今回の警察庁の決断を、私は率直に評価したいと思います。
行政処分では最も重い「免許取り消し」を適用し、断固悪質なドライバーを排除して事故を未然に防ぐ。
そうした強い意気込みで、年明けの通常国会に法案を提出する見通しということであります。
被害者ご遺族からすれば当然であり、遅すぎるとの声も聞かれますが、ぜひ、今回の法改正におきましては、そうした方々の思いに寄り添いながら、悪質ドライバーが出なくなるよう、そしてこれ以上被害者が出ないよう、厳罰化を求めたいと思います。
同時に、運転免許更新時における講習の見直しも必要です。
これまでの交通教則に加えて、あおり運転等の危険性や行為の禁止等についてしっかり盛り込まれた講習や教材を、法改正と同時に整備していかなくてはなりません。
広報啓発活動も重要です。
「あおり運転」が明確に禁止行為であり厳しい取締まりの対象になるということ。又、「あおり運転」を受けた場合の具体的な対処方法などについて、車を運転する人もそうでない人も、お互いに意識を高めていく必要があると思います。
警察庁、都道府県警のホームページやSNS、広報誌などメディアツールを活用しながら、国民、県民総ぐるみで「安心安全の交通社会」を築いてまいりたいと思いますし、私も「あおり運転」の撲滅に向けて、本県での更なる推進に取り組んでまいりたいと思います。
本日は「あおり運転」の厳罰化に向けた動きについてご報告いたしました。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 17:46