「皆様、おはようございます。公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。
今朝は初冬を思わせる冷え込みの厳しい週明けとなりました。皆様、体調管理には十分お気をつけてお過ごし頂ければと思います。
さて、県議会では先週、常任委員会の県外視察が行なわれ、私の所属する経済企業委員会は沖縄を訪問し、観光振興による地域経済の動向等について調査を行ないました。
今朝はその概要についてご報告したいと思いますが、その前に、この度の首里城火災に対しまして沖縄県民の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
ちょうど視察2日目の朝、目覚めてテレビをつけた瞬間、飛び込んできた映像に愕然といたしました。あまりにも痛々しく、何より、心の拠り所を失った沖縄県民の皆様の悲しみはいかばかりかと胸が痛みました。
幸いにして、国の方でも直ちに補正予算や予備費の活用、来年度予算も含め、できるだけ早期の再建に向けて全力を尽くす意向を表明しており心強く感じていますが、まずは、今回の火災発生の原因究明と再発防止策、そして他の文化遺産の対策も含め、しっかり取り組んで頂きたいと思います。
さて、今回、私たち経済企業委員会は沖縄県内4つの施設を訪問しましたが、その中から沖縄県がめざすビジョンと取組みについてご報告したいと思います。
まず、概要ですが、昨年度の観光客数は約1,000万人で、内訳は邦人客が約70%、インバウンドが約30%。観光収入は7,335億円とのことでした。
この数字、本県の昨年度実績と比べますと、
県外からの観光客数は約1,000万人とほぼ同じレベルですが、インバウンドで比較しますと約1%の12.4万人で、沖縄の1/30となります。
観光収入は県内外客合わせて1,133億円ということで、沖縄の約1/7。
いかに沖縄が観光立県か実感させられた次第です。
また、最近のトレンドとしてクルーズ船の急増という点が上げられました。
2017アジアクルーズフォーラムにて「アジア最優秀寄港地」を受賞するなど近年の伸びは目ざましく、昨年度は一昨年度に比べて20%以上の増加を示しています。
沖縄県では現在「東洋のカリブ構想」を掲げ、クルーズ船の“寄港地”から“拠点港”へと格上げを図り、国内外との豊富な航空路線をフルに活用した“フライ&クルーズ”やラグジュアリ客船の誘致を推進するなど、「世界水準の観光リゾート化」を積極的に進めているとのことでありました。
最大の課題は何ですか?との私たちの問いには、「伸び悩みを続ける「滞在日数」と「消費額」をどう増やすか」と明快でありました。
私は、スケールの違いこそあれこの点は本県も同様であり、おそらく都会を除く全国共通の課題ではなかろうかという思いと、観光施策立案の肝心でもあるこの部分は、国際社会で最も多く観光収入を上げているアメリカやスペイン、フランスのような大国にもっと貪欲に学ぶ必要があることを痛感させられた思いがいたしました。
次に、国際物流拠点への取り組みについてであります。
沖縄はかつて琉球王国としてアジア諸国との交易で栄えた歴史を有しておりますが、今日に至るアジア全体の経済発展に伴い、沖縄の地理的優位性が再び脚光を浴びているとのことでした。
なるほど、沖縄を中心に空路4時間圏を円で囲みますと、日本はもとより中国・韓国・フィリピン・タイ・ベトナム・ミャンマー・インドネシアなど東アジアがスッポリと入る“人口約20億人の巨大な経済圏域”となるのです。
この巨大マーケットに対し、沖縄県アジア経済戦略構想(沖縄県の強みを生かした5つの重点戦略と4つの産業成長戦略)を策定し、その柱の1つに位置づけるのが「アジアをつなぐ国際物流拠点の形成」です。
第1段階として、ANAと連携し「日本とアジアの主要空港間を一晩で輸送する国際貨物ハブ」を立ち上げています。今晩中に沖縄に荷物を届けておけば、翌朝にはアジアや日本の主要空港にお届けが可能というわけです。
空だけではありません。
現在、第2段階として、海運航路と港湾の機能拡充、国際物流特区の拡大等にも取り組んでおり、さらに海運企業の進出による物流ネットワークの拡充や、サードパーティロジスティクス、世界的メーカー等の物流拠点を形成し、「東アジア20億人市場の国際物流ハブ」を目指すという構想でありました。
その他にも経済効果が極めて高いMICE振興戦略についても伺いました。
特措法に基づく交付金や税制などルールの違いや、ハコモノ的色彩の強い事業等は本県の目指す方向とは異なるなぁと感じましたものの、
地政学的な観点を踏まえ、歴史や文化など「地域固有の強み」から構想を組み立てブレることなく最後まで貫くことが何より重要、ということを学ばせて頂きました。
今回得た知見を本県の更なる観光振興に繋げられるようしっかり取り組んでまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 17:59