「皆様、おはようございます。公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。
少しひんやりではありますが、さわやかな秋晴れとなりました。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。
さて、県議会では先週、常任委員会、特別委員会がそれぞれ開催され、県政の様々な課題について議論がなされました。
今朝はその中から、私が所属する「えひめICT未来創造特別委員会」についてご報告したいと思います。
今回のテーマは「社会における最新のICT技術の動向と利活用事例について」ということで、NECさんをお招きしてお話を伺いました。
冒頭まず、「急速な人口減少に伴い、労働力の減少や公共インフラの維持など課題が増大・多様化する一方、人や財源などリソースは有限という与件に対し、私たちはどう対峙すべきか?」との問題提起があり、その最も有力な1つの解として、「ソサエティ5.0」という社会像が示されました。
あまりお聞きなじみでない方も多いかと思いますが、「ソサエティ5.0」は「スマート社会」、「スマートシティ」とも呼ばれ、仮想空間と現実空間を高度に融合させ、少子高齢化、人口減少にあっても経済の発展と社会的課題の解決を両立できる社会であります。
言葉では今ひとつわかりにくいのですが、イメージを映像で拝見したところ、非常にわかりやすく、明るさと賢さを感じさせる未来の姿でありました。
(こちらからご覧頂けますので、ご興味のある方にはぜひご覧頂きたいと思います ⇒「スマートシティで実現する2040年の生活」)
また、NECさんがこれまでスマートシティ化に取り組んだ事例、実績についていくつかご紹介がありました。
例えば、スペインのサンタンデール市(約17万人)でのICT利活用事例ですが、
同市のゴミ収集事業について、ゴミ箱をセンサーでモニタリングし、AIで最短ルートを算出、収集時間の短縮化を実現することによって人件費コストが15%削減できたとのことでありました。
他にも、IoTセンサーで駐車場の空きをモニタリングすることでドライバーが駐車場を探す時間が短縮され、交通渋滞の80%削減に繋がったそうでございます。
国内の事例では、かの有名な南紀白浜での取り組みが挙げられました。
和歌山県白浜町では本年、顔とクレジットカードによる顔認証で、空港のチェックインやホテルの入退室、さらには買物や食事もできる実証実験が行われました。
その結果、多くの観光客から好評を博し、地元においてもICT利活用への理解が大きく進んだとのことでありました。
取り組みをまとめた映像を拝見したのですが、「南紀白浜は“IoTの聖地化”をめざします」といった地元業者の力強い意気込みが、とりわけ強く印象に残りました。
正にICTを利活用することによって、労働力不足というボトルネックを解消し、また、アクセスをシームレス化して地域経済の活性化に繋げるという素晴らしい実証結果でありました。
今後、国においては「スマートシティ官民連携プラットフォーム」を軸に、連携の枠組みと基盤(都市OS)の確立をめざして取り組むと聞きますが、ぜひスピード感を持って進めて頂きたいと思いますし、
データの利活用に関しては、個人情報というものをしっかり保護すべく、個人情報保護法のあり方についても適切な見直しを進めて欲しいと思います。
そして県が今後果たすべき役割についてでありますが、NECさんが「地域でさまざまな利害や課題が絡み合う中、合意形成を担うこと」と指摘されましたように、私は、スマート社会実現に向けて求められる県の役割は非常に大きくなってくるというふうに考えます。
身近な例を挙げますと、車で市内を走っておりますと、「JR四国」と「伊予鉄」と「信号機」が連動していない場面に遭遇しますが、
これは「JR四国内での合理性」、「伊予鉄内での最適解」、「県警内での整合性」、というふうにバラバラのデータ情報では全体最適とはなりえないという1つの例であり、結果として渋滞等の不利益が生じ未だ解消できずにいる、というのがこの間の現状であります。
これに対し例えば、県版「スマートシティ官民連携プラットフォーム」を県主導で設立し、「JR四国」、「伊予鉄」、「県警」等ステークホルダーの合意形成を図りながらデータ連携を実現させ、
AIやIoTなどICTを活用した地域共通のOSともいうべき基盤を構築し全体の最適解を生み出していく、というのが、これから果たすべき県の重要な役割になってくるのではないかと私は考えます。
あくまで一例ではありますが、やがて訪れるであろう愛媛の「スマート社会」を、県として“待つ”のでなく“仕掛ける”意気込みで果敢に取り組むよう期待いたしますとともに、私も精一杯尽力してまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 15:15