「皆様、おはようございます。公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。
一昨日、愛媛・広島両県知事出席の下、瀬戸内しまなみ海道開通20周年を記念する式典が今治市の大三島で盛大に開催され、私も出席をいたしました。今朝は、このことについてご報告したいと思います。
実は私、しまなみ・伯方島の出身でございまして、幼少の頃、本州と四国をつなぐ本四架橋は「夢の架け橋」と言われ、あくまでも未来の夢物語でありました。
しかし、技術の進歩は目覚しく、夢はまたたく間に現実となり、1999年に6つの島を結ぶ7つの橋、全線が開通。そして本年5/1で20周年を迎えることとなりました。光陰矢の如しとはこのことで、月日の早さにただただ圧倒される思いがいたします。
式典では、本県の中村知事が
「しまなみ海道の開通は、島民の利便性の向上や物流、交流人口の拡大が目的だったが、今や自転車の世界大会を開催するまでになった」と振り返り、
「未来への歩みを、愛媛・広島両県民の皆様と共に考え、30周年への一歩を踏み出したい」との抱負が述べられました。
お話の通り、そもそもしまなみ海道は、それまで“海路”であった人やモノの流通を“陸路”化することにより、物流や移動の安全性と利便性を高めることが目的でありました。
それが今や、「サイクリストの聖地」として世界から注目される一大観光コンテンツとなるなど、地域の産業経済や沿線住民の生活にとっても必要不可欠の社会インフラへと発展してきたのであります。
配布資料によりますと、「しまなみ海道」・「瀬戸大橋」・「明石大橋」の3つの架橋が開通したことによる経済効果は、平成30年の1年間で約2.4兆円。
このうち四国に与える経済効果は約9000億円で、四国4県のGDPを約6%底上げしているとのことであります。
また、島嶼部の産業活性化にも大きく貢献しており、レモンで有名な生口島では、島で収穫されたレモンのお菓子を島内で生産し、全国各地で販売。
いわゆる農業の6次産業化に成功し、しまなみ海道開通前からレモンの収穫量が3倍に増加、そして着実な雇用の拡大に繋がっているそうです。
そして、こうした物流の時間短縮やコスト削減により生まれるメリットは島嶼部だけのものではありません。
生産量、シェアともに日本一である宇和島市のマダイや、今治市のタオルも、生口島のレモン同様に、収穫や生産量を大きく伸ばしており、しまなみ海道のストック効果は本県全域に広がっているのであります。
あるいは、救急医療への貢献であります。
これまでは市営フェリーや小型船を使った救急搬送でありましたから、夜間や天候等によって島外に搬送できない場合がありました。1分1秒を争う救急医療にあっては致命的な限界ともいうべき環境でありましたが、架橋によって終日・即時の搬送が可能となったのであります。正に、しまなみ海道は、住民にとって命の橋といっても過言ではないでしょう。
さらに近年では、移住者の増加にも寄与しているとのことであります。
しまなみ島嶼部では官民連携による移住支援が積極的に行なわれておりますが、大三島を中心に移住をサポートするNPO法人によりますと、2011年から昨年までの7年間で支援した移住者は、累計で135人に上るとのことです。
島にとって100人レベルで人口が増えることのインパクトは大きく、人口減少対策の有効なモデルケースとして近隣の島にも広がるよう、しっかり後押しをしてまいりたいと思います。
そして今、しまなみ海道といえば「サイクリストの聖地」であります。
開通から15周年を迎えた2014年には、アメリカCNNが選ぶ「世界7大サイクリングルート」の1つに選定され、SNSの普及とも相まって、この数年で外国人観光客が飛躍的に増えてまいりました。
レンタサイクルの貸出台数は10年前の約4倍ということで、今では年間通して外国人観光客を見ない日はないというくらい、沿線の島々が国際色あふれるようになってまいりました。
経済効果だけでなく、こうした文化の面、また、心の交流を通じた国際親善の広がりや深まりといった視点からも期待を寄せてまいりたいと思います。
以上本日は、開通から20周年を迎えた「瀬戸内しまなみ海道」についてご報告させて頂きました。
県議会は来週、改選後初となる6月定例会がいよいよ開会となります。
しっかりと準備して臨みますとともに、企業団体の各種総会や7月の参院選対策など日程目白押しの1週間となりますが、すべてにおいて全力で取り組んでまいりたいと思います。
本格的な暑さに向う中、皆様におかれましては健康管理に十分ご留意の上お過ごし頂ければと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 21:45