「皆様、おはようございます。公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。
先週16日、「食品ロス削減推進法案」が全会一致で可決し、衆議院を通過しました。また、それに呼応するかのように翌17日、「大手コンビニのローソンが愛媛県とタイアップして「食品ロス」を削減する取り組みを始める!」との報道がありました。本日は、このことについてご報告したいと思います。
まず、今回の法案ですが、前文で「食品ロスの削減は、食料の多くを輸入に依存する日本が真摯に取り組むべき課題」ということが明記され、「食品ロスの削減」の定義につきましても、「まだ食べることができる食品が廃棄されないようにするための、社会的な取り組み」と定められ、国民運動として強力に取り組むことが示されています。
そして、国や自治体、事業者の責務や、消費者の役割を明記した上で、政府には基本方針の策定を、自治体には推進計画の策定を、事業者には施策への協力を求める内容となっています。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)におきましても、世界各国が2030年までに1人当たりの食品ロスを半減させるという目標が掲げられており、今回の法制整備はそれに向けた重要な一歩になると思います。
さて、「食品ロス」の現状でありますが、農林水産省によりますと、廃棄された量は直近の平成28年度の推計で643万トンに上ります。
あまりピンとこないかもしれませんが、これは国民1人当たり、1日に茶わん1杯分のごはんを捨てている計算となるのです。また、金額では約11兆円という試算があり、そうしますと農業総算出額が約9兆円ですから、年間で生み出す以上の付加価値をロス、正に損失していることになるのであります。
一方で、わが国の子どもの7人に1人が十分にご飯を食べられない状況にあることを考慮しますと、食品ロスの削減と貧困問題は正に表裏であり、包括的に解決すべき課題といえるでしょう。
私も今後、フードバンクや子ども食堂、食べ切り運動や3010運動など、さらには小売業の3分の1ルールの見直しといった法制度のあり方や温室効果ガスの削減という地球温暖化対策の観点も踏まえながら、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
次に、ローソンの取り組みについてであります。
来月6月11日から8月末まで、愛媛県内218の店舗で「消費期限が近い食品を購入したお客様にポイントを還元する」実験が始まります。
具体的には、「Pontaカード」、「dポイントカード」の会員が、朝と昼に納品された弁当やおにぎりなどを午後4時以降に購入しますと、100円ごとに5ポイント(=5円)が付与されます。
そして、それとは別に、対象商品合計額の5%が愛媛県の子育て応援ファンド(仮称)に寄付される、いわば2本立てのしくみとなっているのです。
それらの原資はローソン本部の負担ということで、愛媛県内全店で約2ヵ月半、翌日午前1時まで実施するとのことであります。
今回の取り組みに関する記者会見で、ローソンの竹増社長は「世界的な課題である食品ロスを出すコンビニとして、正面から取り組む必要がある。店舗の2大コストは廃棄ロスと人件費なので、お客様にもご理解を頂いた上で取り組んでいきたい」とし、中村知事は「人口減少の中、子育て支援は官民の協力が鍵を握る。ローソンの思いも踏まえ、愛媛県の子育て応援ファンド(仮称)をスタートさせたい」と述べられました。
「食品ロス削減」に向けた今回の取り組みは、ローソンに続き、セブン‐イレブン・ジャパンやファミリーマートでも意欲的な取り組みが展開される予定とのことであります。
ぜひ、愛媛県とローソンのタイアップ事業が功を奏し、コンビニ業界だけでなく「食」に携わるすべての分野において「食品ロス削減」の機運が高まり、具体的な取り組みが県内全体に広がって「県民お1人お1人に支持される県民運動」となるよう、私も微力ながら尽力してまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 19:11