「皆様、おはようございます。公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。
先週は10連休明けということで、皆様いかがでしたでしょうか。日常生活や通常業務に戻すのになかなか大変だったのではないかと推察いたしますが、かく言う私も、連休中あるいは選挙期間中に山積した宿題の対応にフル回転の1週間となりました。そうした中、一昨日、国交省主催の「松山港外港地区クルーズ対応施設完成報告会」に出席してまいりましたので、本日はその概要についてご報告したいと思います。
この事業は、世界で増大するクルーズ需要に対応するため、松山港外港地区の物流ターミナルを全面改良し、大型クルーズ船の寄港を可能とするものであります。
松山港への寄港はこれまで約77,000トンまでということでしたが、今回の整備により140,000トンクラスの大型クルーズ船の受け入れが可能となりますので、1回の寄港で乗客定員・乗組員あわせて約5,000名の来訪が可能となります。経済効果はもちろんでありますが、本県と外国人旅行客との交流機会が増えることで国際交流が幾重にも広がり、世界に向けた愛媛県・松山市のプレゼンス向上という点でも大いに期待が寄せられます。
その完成したばかりの松山港外港に、来週21日、大型クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号がやってまいります。
松山市にとって初めての大型豪華客船の寄港であり、本県の観光産業の今後を占う意味でも非常に注目が集まっています。現在、官民挙げて受入れの準備を進めているところですが、初寄港の無事と成功を祈らずにはいられません。しっかりこの後のフォローに全力を尽くしてまいりたいと思います。
さて、今回の報告会ですが、ゲストによる世界のクルーズ市場や松山市の観光動向について講演がありました。
いくつか印象に残った点についてお伝えいたしますと、まず、世界市場の拡大モメンタムと中国の勢い、ということであります。
クルーズ市場はこれまで欧米諸国を中心に拡大を続け、今後も着実な伸張が見通されるとのことですが、特にここ数年で中国が飛躍的な伸びを見せ、現在、アメリカに次ぐ世界第2位の座を占めるようになったとのことであります。
あらゆる分野で世界経済を席巻する今の中国の勢いというものを本県の観光振興にどう取り込んでいくのか、また、造船海事都市・今治市を有する本県として、建造の受注獲得にも積極的に取り組む必要があることを痛感させられました。このことについて、今後、議会活動の中でしっかり問題提起を行なってまいりたいと思います。
次に、松山市の観光動向に関してであります。
国内から松山市への観光客数は5年連続増加の見込みで、直近の平成29年度で約600万人とのことであります。
喜ばしいことではありますが、人口減少の進展を踏まえますと、この数字が今後飛躍的に増えるということは考えにくいわけであり、やはり期待すべきは外国人旅行客、インバウンドということにならざるを得ません。
松山市へのインバウンド客数は、直近の平成29年度で前年比4%増の195,300人。内訳は、約1/3が台湾からで、次いで香港、中国、欧米の順となっています。
今後の伸び代を考えますと、私はやはり、分厚いマンパワーを有する中国、そして旅行消費額の大きい欧米のバカンス大国をどう取り込んでいくかといった観点が重要になってくると思います。
次に、クルーズ船の寄港状況であります。
松山港をはじめ瀬戸内海沿岸の港は、太平洋側の港に比べて寄港回数が少ない状況が続いておりますが、これは大型クルーズ船が瀬戸内海を横断できないため、とのことでありました。
これまで松山港は、高知港や宇和島港に大きく水を空けられて来たわけですが、大型クルーズ船の受入れが可能となった今、太平洋から回って松山に寄港するメリットや魅力をどう創り出していくかが重要なカギとなってまいります。この点、県議会におきましてもしっかりと議論を深めてまいりたいと思います。
話は変わりますが、私は、しまなみで生まれ育ちましたので、幼い頃から瀬戸内海が身近にあったわけでございます。当然ながら当時は橋もなく、海上交通も今ほどには発達していませんでした。
漁船や伝馬船などの小舟があちこちに往来しておりまして、私もそれによく乗せてもらいました。
小舟で浮かんだ板から伝わる海や波の感触、島伝いに薫る潮の香りが、私にとっての瀬戸内海の原風景でありますが、それに近い体験を売り出しているクルーズ客船「ガンツウ」が今、大人気なのだそうです。
この船はダイヤモンドプリンセス号に比べますと1/4くらいの大きさで、旅客定員は38名の小型客船であります。しかしながら1室あたりの客単価は30~80万円という立派なラグジュアリ・クルーズ船なのです。
今や何ヶ月待ちという大人気、大ヒットの、この「ガンツウ」が示した「瀬戸内海でしか体験できない価値」に特化した新たな観光の方向性を、さらに磨きながら、愛媛県独自の様々な感動旅行商品を実現し、全世界に発信できるよう、私も全力で取り組んでまいりたいと思います。
本日は先頃完成した「松山港外港地区のクルーズ対応施設」にちなんで、クルーズ市場と本県の観光振興についてご報告させて頂きました。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 19:50