「皆様、おはようございます。公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。
県議会では先週、常任委員会の県外視察が行われ、私も環境保健福祉委員会の一員として3日間、関東方面に出張いたしました。
本日はその中から3点の視察事項についてご報告させて頂きます。
まず1つ目は、千葉県船橋市の「救急ステーション及びドクターカーシステム」であります。
船橋市といえばスポーツが盛んなイメージがありますが、「救急医療先進都市」としても実は全国的に有名な都市でございます。
そんな船橋市の、全国初、また船橋方式と言われる独自のドクターカーシステムの成り立ちから現状まで、詳しくお話を伺いました。
このシステムは今から40年以上前に、行政と医師会が中心となって構想し、平成4年に立ち上げられたもので、
例えば、心筋梗塞や脳卒中など患者が重篤な事態に陥った場合、市内であれば概ね10分以内に医師が同乗したドクターカーが現場に到着し、直ちに救命処置にあたるというものです。
これにより、心肺停止患者の救命率と社会復帰率が飛躍的に向上したとのことで、いわば「地上版ドクターヘリ」といえるのではないでしょうか。
翻って本県に当てはめますと、松山市においては既にドクターカーシステムが確立されているものの、それ以外の地域において導入の見通しは立っていない状況です。
全体としては、高齢化の進展により増大する一方の医療ニーズに対し、医療施設や医師といった医療資源が絶対的に不足する地域が圧倒的に多く、医療側の負担は増すばかり、という悪循環を強いられているのが現状です。従いまして、本県の地域救急医療体制の確立に向けて求められるのは、医師不足と地域偏在の解消、これに尽きると思います。
そうした中、県ではこれまで、ドクタープール制度やドクターバンク事業、また地域医療医師確保奨学金制度を導入するなどの取り組みを進め、着実に成果が現れつつあるところでございます。
しかし、加速する高齢化の進展に対し、私は更なるスピードUPが必要と感じております。
これをキャッチアップしていくためには、AIなどのICT技術革新を貪欲に取り込みながら活用することと、今回お話を伺ったドクターカーの「地域仕様化」及び「ダウンサイジング化」、「圏域共有システムの構築」等が有効となるのではないかと考えます。
ドクターヘリを含め、本県の地域特性を踏まえた独自の救急医療体制の実現を目指し、引き続き研鑽を深めてまいりたいと思います。
2つ目は、燃料電池自動車を始めとした「水素エネルギーの利用の現状」についてであります。
水素社会の実現は、公明党が目指すエネルギー政策の大きな柱でもあるのですが、皆様ご存知の通り、水素は燃焼する際、CO2などの温室効果ガスを排出しません。
また、水素は水を分解すれば発生し、燃焼すれば水に戻ると言うエンドレスで究極の再生可能エネルギーです。
しかも貯蔵や輸送ができるため、電池として保存し、使いたい時に再生することも可能で、世界中から化石燃料に変わる次世代エネルギーの最右翼と目されています。
現場担当者のレクチャによりますと、実用化に向けてカギを握るのは「供給インフラの基盤確立」とのことで、現在、東京・大阪・名古屋・福岡の4大都市圏を中心に全国20箇所に設置が進んでいるとのことでありました。まだまだ普及のスピードを上げる必要がありそうです。
国においてはぜひエネルギー政策上の優先順位の見直しを行い、水素エネルギーの普及、そして水素社会の実現に向けて、研究開発への投資を拡充強化するとともに、インフラ整備の加速化に向けしっかり取り組んで頂きたいと思います。
3つ目は、今、中高生を中心に広がりつつある「ネット依存の現状」についてであります。
神奈川県横須賀市にある久里浜医療センターで、その詳細と実際についてお話を伺いしました。
「ネット依存」とは、日常生活が破綻するほどインターネットやオンラインゲームに依存し、抜けられなくなった状態を指します。
症状が悪化しますと、学業や健康面はもちろん、精神面ではうつや自殺衝動、人間関係の面では不和や孤立といった重大な悪影響を引き起こすとされます。
特に私が注目したのは「発達障がい」との親和性です。
広汎性発達障害の若者は、総じて対人コミュニケーションが不得手であり、不登校やひきこもりに結びつくケースが少なくありません。
そういう孤独な状況とインターネットは非常に相性がいいため、依存に陥りやすいし、抜け出すには非常に困難が伴うとのことであります。
私は、近い将来、非常に大きな社会問題になりかねない、そんな強い危惧を感じました。
酒やタバコやギャンブル等にも依存症はありますが、基本的にこれらは未成年は法律で禁止されており、子どもたちは守られるようになっています。
しかし、ネットに関しては子どもたちに何の規制もかかっておりません。デジタルネイティブ第2世代ともなりますと、幼少期からずっとネットし放題ということになります。
今後、ネット依存から子どもを守るために私は、こうした世代特性も含めて、依存症にならない予防教育や医療的支援、更には何らかの法規制も含めた国レベルでの早急な対応が必要と痛感させられました。
県として可能な取り組みは何かを含め引き続き研鑽を深めてまいりたいと思います。
以上、本日は常任委員会の県外視察についてご報告をさせて頂きました。
今回得た貴重な知見を、2月議会、また今後の議会活動にしっかり活かしてまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 00:12