「皆様、おはようございます。公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。
県議会では先週、12月定例会が開会し、各会派による代表質問が行われました。本日は、その概要についてご報告したいと思います。
いずれの会派も最初に取り上げたのは、3期目をスタートする中村知事の所信についてでありました。
知事からは、まず、豪雨災害からの復興にオール愛媛で取り組むとした上で、これまで推進してきた3つの政策をさらに深化させていくとの決意が述べられました。
3つの政策の内、まず1つめの「防災減災対策」につきましては、肱川の治水対策など災害復興の他、道路や河川・港湾などハード施設の整備、また全国1位をめざした防災士のさらなる育成を軸とした地域防災力の強化に取り組むなどの答弁がありました。
2つめの「人口減少対策」につきましては、子ども医療費への助成の底上げや紙おむつの支給による子育て世帯の負担軽減、延長保育に対する支援等に加え、子育て支援を充実させるための官民共同ファンド「子育て基金」を創設する意向が述べられました。
3つめの「地域経済対策」につきましては、県営業本部が関与し成約をめざす目標額を150億円に設定し、本県の強みである農林水産業、製造業等のさらなる発展に向け取り組む決意が述べられました。
また、各会派からは、豪雨災害の検証や柑橘産地・樹園地の再生、障がい者の雇用拡大、水道法改正、民泊問題、軽減税率など様々な県政課題が取り上げられました。
そうした中、私ども公明党の笹岡議員が国民健康保険について取り上げましたが、それに対する理事者の答弁を聞きながら、私は、“まだまだ先と思っていたソサエティ5.0という超スマート社会に、実はもう既に突入しているのだ!”と気づかされる思いがいたしました。
ご案内の通り本年度から、国民健康保険の財政運営の主体が市町村から都道府県に移管されたわけですが、これは、国保を都道府県単位に広域化することでスケールメリットを持たせ、効率的にお金を配分し、慢性的な赤字を抱えている国保財政の立て直しを図るのが最大の目的であります。
超高齢社会を迎え、本県では社会保障関係費が毎年約20億円づつ増加しておりますが、そうした中で、質を維持しながら効率的な医療をどうめざすのか、増え続ける医療費をどう適正化していくのか、ということを笹岡議員が取り上げ、質したのであります。
理事者からは、国保と協会けんぽの被保険者を合わせた約110万人分のビッグデータを活用した取り組みを本年度から始めたとの答弁がありました。
現在、愛媛大学と連携して約20万人分の健診データの分析を進めているとのことで、今年度末までに地域と生活習慣を関連づけた分析結果を取りまとめ、来年度以降の特定健診への反映や、個々人に対する勧奨、またインセンティブを盛り込んだ健康づくり事業等への活用を検討しているとのことでありました。
それにしても110万人分とは、正にビッグデータです。
その分析により何らかの仮説や傾向性を見出すことができれば、地域ごと、個人ごとにピンポイントで対策を打つことができます。
健康づくりと健診の効果的な勧奨が進み、受診率が上がれば、病気の早期発見、早期治療により重症化や手遅れ等を回避することも可能となります。
その結果、医療費が健全な形で抑制されれば、というのが県のめざす方向性であり、本会議や委員会で機会のあるたび「健康長寿の推進」を提唱している私といたしまして、今回の答弁をとても心強く感じました。
今後、データの増加等に伴い分析精度もより高まっていくと思いますし、AIの本格的な活用が進めば、どれだけ病気で苦しむ人を減らせるだろう、健康と笑顔が広がるだろうと期待が大きく膨らみます。
また他方では、本年8月から県庁内でAIを活用した取り組みを進めておりまして、会議録作成において時間短縮が飛躍的に進み、知事定例記者会見や各種会議におきましても紙媒体の自動テキスト化により業務の大幅な効率化が図られているのです。
このように、AIやビッグデータといった次世代技術は、今や私たちの仕事や暮らしに組み込まれつつあり、今後なくてはならない社会の基盤になることはおそらく間違いありません。
以上、本日は代表質問の概要と、超スマート社会という歴史的な時代の変化に直面する中、これに適応していく必要性を強く感じた論戦の一部についてご報告させて頂きました。
県議会は今日から一般質問、常任委員会へと移りますが、私もしっかり準備して臨んでまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 13:49