「皆様、おはようございます。公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。
スポーツの秋満載の週末は、皆様いかがでしたでしょうか?4年に1度開催されるサイクリングしまなみ2018は、晴天の下、国内外から7,000名を超えるサイクリストが今治に集結し大盛況となりました。
プロ野球では日本シリーズが開幕し、高校野球も春の選抜をかけた四国大会が熱戦を展開しておりまして、昨日は地元・松山聖陵高校が見事ベスト4進出を決めました。ぜひこの後も勝ち進んで甲子園出場を決めて頂きたいと思います。
さて、県議会ですが、先週は常任委員会、特別委員会が開催され、それぞれが当面する課題について議論が行われました。
本日は、その中から私が所属する少子高齢化・人口問題調査特別委員会での論戦についてご報告したいと思います。
今回の議題は「県版まち・ひと・しごと創生総合戦略」、いわゆる「県版総合戦略」についてでありました。
これは平たく申しますと、“今後加速する人口減少に歯止めをかけるために、県として何をどう取り組むのか”についてまとめたものです。
本県の人口は、直近の10/1時点で約135万人。ピークであった昭和60年の153万人から33年連続減少を続けています。
県の統計をさらに月単位で見ますと、3-4月の移動シーズンを除けば、ほぼ毎月人口が減っていることがわかります。
このまま推移しますと、2060年には約80万人になることが予測される中、
県版総合戦略では、政策を総動員して100万人台の維持をめざし、大きく3つの目標を掲げ取り組む方針が示されています。
その1つ目は「地域に働く場所をつくる・人を呼び込む」愛媛にすること。
目標の1つは「社会減」で、各種の取り組みによりこれを平成26年度の3,512人から平成31年度までに1,200人以上縮小させるとしています。
2つ目は「出会いの場をつくる・安心して子どもを生み育てる」愛媛にすること。
例えば、合計特殊出生率を平成26年度の1.50から平成31年度には1.58程度への上昇をめざすことが盛り込まれています。
3つ目は「元気な地域をつくる・いつまでも地域で暮らせる」愛媛にすること。
これは、中心となる市と近隣の市町が役割を分担し、圏域全体で定住を可能とするようなしくみづくりのことで、すでに昨年度に目標の5件を達成しているため、次の5年間は新たな目標を設定するとしています。
そのような方針の下、全体で93ある目標それぞれに対する進捗状況について理事者から説明があり、活発な質疑が行われました。
例えば「社会減」であります。
これは、1年間で、愛媛県に転入してくる人より転出していく人の方が多い状態を指します。
本県では、昨年度までの3年間の取り組みにより265人縮小させることができましたが、あと2年で目標の1,200人を達成するのは正直厳しいと言わざるを得ない現状です。
ちなみに昨年度の「社会減」は▲3,247人で、そのほとんどを若者が占めています。
具体的には、県外の高校・大学等に進学・就職する15歳~19歳が▲1,161人、そして、県外に就職したり、本県の大学等を卒業して地元に戻られる20歳~24歳が▲2,109人。
問題はこのマイナス、転出超過に対してどう歯止めをかけるかでありますが、私は(少子化の進展でマイナス幅は小さくなるとしても)こうした傾向自体は今後も続くのではないかと考えます。若者の向学心や探究心、憧れや夢への挑戦は、誰も押さえることのできない青年の特権と思うからです。
より重要なことは、将来、どうすれば彼らが愛媛に帰ってくるかではないでしょうか?
実は、私も県外に出た1人ですが、きっかけと、期するところがあって愛媛に帰ってきた、いわゆる“UIJターン”の1人であります。
そうした実体験から考えますと、きっかけがあれば、あるいは条件さえ合えば、愛媛に帰りたい、帰ってもいいと考える人は、私はどの年代にも少なくないと思うのです。
これまでの県の取り組みは、そうした県外転出者に対するアプローチやフォローが極めて手薄だったように感じてなりません。
その意味で私は、「社会減」を縮小させるための最大の課題は「転出者に対する戦略的なフォローとUターン環境の整備」であり、言い換えますと、ビッグデータやAI等を積極的に活用しながら30代以降の「社会増」をどう描いていくかがポイントと考えるのであります。
次に2つ目の合計特殊出生率についてですが、3年間で1.50から1.54に上がったものの、出生数そのものは下がったという状況です。
これは、女性の数と結婚する件数が減ったからと考えられますが、今後は、より結婚しやすい男女の出会いや、子どもを生み育てやすい社会全体の理解と環境づくりなどに、さらなる工夫が求められるのではないかと思います。
3つ目の持続可能な地域づくりにつきましては、
私は「この部分こそ、県版総合戦略の肝」と指摘した上で、「人口減少をどう下げ止めるか?といった施策と同時に、人口減少後のあるべき地域の姿こそ、今、県が議論すべき最も重要なテーマだ」とし、
総合戦略の1つのゴールである2060を待たず行政サービスが維持できなくなる自治体が現れるのは確実と見られる中、「県は、国が検討を進めている自治体戦略2040の、その先をゆくような議論に直ちに着手すべき」と提言させて頂きました。
県版総合戦略が描くのは、「愛媛の未来」です。そして、その未来を実際に創るのは、私たち県民1人1人であります。
皆様お1人お1人の声を、県政に、愛媛の未来にしっかりと繋いでいけるよう私も全力で取り組んでまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 19:10