「皆様、おはようございます。公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。
2週続けての3連休、皆様いかがでしたでしょうか。私は、東中南予と秋の伊予路をぐるり駆け巡りながら、次なる宿題を頂く3日間となりました。
県議会におきましては先週から論戦がスタートし、私も代表質問に登壇。西日本豪雨災害を中心に5項目を取り上げましたが、おかげさまで概ね前向きな答弁を頂くことができました。質疑の詳細はブログにアップしましたので、ぜひご覧頂ければと思います。
さて、本日のご報告ですが、3連休初日の22日(土)に谷合農林水産副大臣、山本ひろし参議院議員とともに南予の被災地を訪れ、農林水産の各団体、大洲市・西予市・宇和島市の首長の方々から復興支援に関する要望をお伺いいたしましたので、その概要についてご報告したいと思います。
ご案内の通り、南予の基幹産業は農林水産業で、柑橘はもちろん、養殖魚や真珠、ヒノキの生産量は日本一を誇るわけですが、その基幹産業に今回の豪雨災害は大きな打撃を与えたのであります。
生産者は今、復興に向けて懸命に努力を重ねておられますが、同時に分厚い壁にも直面している状況で、国に対して具体的にどんな支援を求めているのか、今回のヒアリングでより深く理解することができました。
共通するキーワードは「将来像」と「保障」、というふうに私は感じました。
例えば農業の場合、土砂崩れでズタズタになった樹園地を、現状復旧するのか、改良復旧するのか、再編復旧するのか、めざす方向によって今後の取り組みは全く異なってまいります。
同じ農業であっても、米や麦、野菜は1年で収穫できますが、柑橘の場合は苗木を植えてから5年、土づくりからだと10年以上かかります。
つまり、安定的に収入が得られるようになるのは10年先。そうなりますと、若い世代は踏ん張れても高齢世代はどうしても諦め感が強くなってまいります。
利害やモチベーションの異なる両世代が納得し安心できる「将来像」はどうあるべきなのか、その「答を見出せない現状」というものに対する生産者の不安と苦悩が、お話の中でひしひしと伝わってまいりました。
また、土砂崩れは吉田町だけで2000か所を超えるのですが、箇所別にみると生産者が複数存在し、生産者別に見ると被災した部分としていない部分が混在しており、今後の園地整備に対する意向を確認することさえままならない複雑な状況となっているのです。
しかし、ピンチの後にチャンスと捉えれば極めて稀有な園地再編の機会でもあるわけです。
例えば、豪雨にも災害にも強い園地、ICTを活用したより合理的な園地、若い世代が参入しやすい園地とはどうあるべきか、また、品種改良や思い切った他品種への改植、さらには送水パイプラインやスプリンクラー、道路など施設面の耐震化等も含め、100年先を視野に入れた「将来像」を議論しながら、
現地の意向に沿った形で国と地方が共同で「あるべき将来像」を作り上げ、(ここが肝心ですが)その間の生産者等の不安を払拭するだけの「保障」を国においてしっかりときめ細かく作り上げる、求められるのはそういう方向性と、私は感じました。
林業につきましては、豪雨災害により山中いたる所に堆積した災害木が放置されたままとなっており、その処理と活用が大きな課題とのことでした。
災害木は現状では廃棄物にしかなりません。
運搬に対する国の補助もないため、所有者が自力で処理するのは困難であり、この部分に対する「保障」が抜けているとの指摘でありました。
例えばFIT法(固定価格買取制度)を柔軟なものに改正するなどして有価物として流通させ、昨年、松山市大可賀に開設された木質バイオマス発電所と災害木を結ぶような道筋をつけてほしい、という要望をお預かりしました。
災害木を放置したままですと二次災害の危険性が増大し、森林の多面的機能も大きく損なわれます。
今回の豪雨災害を禍福とし、資源循環型社会をベースとした持続可能な林業の「将来像」と政策が求められていることを痛感させられました。
水産業につきましては、今なお海面ゴミやがれき、土砂が海底に流れ込んだままで、その処理に終われ本業である養殖が後回しになっている、といった現状と、農業に比べて「保障」が脆弱な現実についてお伺いをいたしました。
四国整備局が所有する海面清掃船に掛け合ったそうですが、既存の清掃船は波の小さい瀬戸内海仕様となっているため、宇和海など波の激しい地域へは派遣できないと言われたそうです。
であれば、流木などの海面ゴミは対岸の大分県でも同様に直面しているわけですから、海を共有する地方自治体が共同で清掃船を建造し広域的に活動をシェアできるような環境整備をぜひお願いしたい、とのお話でしたが、まさに然り、これは持続可能な養殖業という「将来像」の1つであると私は感じました。
本県は、造船が強みであり得意の分野であるわけで、ぜひ実現できるよう微力ながら後押しをしてまいりたいと思います。
大洲市、西予市、宇和島市の首長のお話からは、トップならではの“復興に向けた覚悟”が伝わってまいりました。
めざす「将来像」はあまりにも明確でありましたし、それだけに制度の改革や財源の確保など、国の力強い後押し、未来に対する「保障」が共通の要望として挙げられました。
西日本豪雨災害からの復興はまだまだ年月を要すると思いますが、教訓に学び、被災地の皆様に寄り添いながら、そしてピンチをチャンスに変える決意で、私も、引き続き全力で取り組んでまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 23:18