本日、9月補正予算に関する会派要望を中村知事に提出いたしました。
全61項目中、半数以上が西日本豪雨災害に関する施策要望となります。その他、地域から寄せられた意見や当面する諸課題も含め、まとめさせて頂きました。
被災地の復興、被災者の生活再建をはじめ、各要望の実現に向け、県議会公明党としてしっかりと取り組んでまいります。
以下長文となりますが、ぜひご高覧ください。(太文字が西日本豪雨関連)
【総務・企画】
1)庁内の定型業務や議事録作成などAI、RPA導入を加速し、職員の働き方改革を進めるとともに、自治体への普及促進を図ること。
2)えひめさんさん物語については、三都市の連携が成功のカギ。その為には、広い視野に立つことが不可欠である。NPO等の意見も参考にしながら、県が潤滑油の役割をしっかり果たされたい。
3)行革甲子園のこれまでの発展的展開に加え、今後は、県下の自治体でより一層、先進事例の実践と行革の推進が図られるよう取り組むこと。
4)松山空港アクセス向上検討会における路面電車の松山空港延伸構想については、JR松山駅付近連続立体交差事業、松山外環装備事業、四国新幹線導入等を踏まえ、県都の都市機能向上の観点から引き続き戦略的検討を進めること。
5)松山空港の駐車場について、特に週末、満杯で駐車できずに飛行機に乗り遅れるということがある。駐車場が工事中であることも影響していたと思うが、利用者が増えている現状から、対策を図られたい。
6)本年3月に県版総合戦略が改訂され、地方創生交付金採択事業を加えるとともにKPIの上方修正が行われた。引き続き2年後の改訂に向けて着実に成果を挙げながら、愛媛県人口ビジョンに掲げた将来展望の実現に向けオール愛媛体制で取り組むこと。
7)今回の豪雨災害でJR四国の路線が、特に南予において長期間運行停止となった。通勤通学に困り、バスなどの代替手段を早期にとの声が多くあったが対応できなかった実態がある。被災時の代替交通をどうするか、JR四国にはBCPにしっかり組み入れてもらい、県も含め関係機関と協議・推進を図られたい。
8)7月補正、8月補正予算で編成した復旧支援事業の速やかな執行に全力を挙げること。
9)障がい者の就労について、県を含め公の機関が実態と違う状況を公表していたことは非常に残念。早急に是正するとともに、実質的に障がい者雇用を推進されたい。
【スポーツ・文化】
1)オリンピック等の事前合宿について、着々と成果を挙げつつあることは大いに評価をしたい。その上で、県内スポーツの振興と青少年が国際的な視野を養えるように、教育委員会とも連携しながら取り組みを進められたい。
2)伊予万歳などの郷土芸能が、後継者不足で廃れようとしている。若い人が意欲を持って取り組める環境を図られたい。
3)21回を数える今年の俳句甲子園も、大いに盛り上がりを見せた。過去の大会に参加していた高校生も社会人となり、松山に来ていた人も多い。松山市と連携しながら、俳句の聖地をより一層アピールされたい。
【県民生活・環境・防災】
1) 本年5月、四国電力から国に対し乾式貯蔵施設の設置申請が行われ、6月には伊方原発1号機の使用済み燃料が3号機の建屋に運ばれるなど、今後40年にわたる廃炉作業がいよいよスタートした。愛媛方式による安全対策に万全を尽くすとともに、廃炉研究の進展や地元ものづくり企業の採用など地域経済活性化の観点も踏まえ、取り組むこと。
2) 吉田や三間は浄水場が壊滅した為、長期にわたる断水となった。県内の上水道施設について、市町に再点検を促すとともに全国43位となっている基幹管路の耐震化率向上に向けても、全力で取り組むこと。
3)汚水処理を推進するため、市町と連携しながら南予で多い汲み取り式トイレや単独処理浄化槽を、合併処理浄化槽に変換するよう思い切った施策を図ること。
4)防災士の育成が順調に進む中、自主防災組織や地域防災活動への参加という点では十分といえない現状がある。県として優れた組織や活動に光を当てながら、組織や活動のあり方について適切な助言と指導を行い、地域において防災士1人1人の貴重な知見が最大限に発揮されるよう取り組むこと。
5)災害発生の度に、地域防災の要である消防団に対し感謝の念に堪えない。高齢過疎化が進み団員確保が困難な地域が広がる中、女性団員や広域連携など地域防災基盤の確保に向け、県として消防団への支援強化を図ること。
6)性暴力被害者支援センターの設置運営に際しては、女性のみならず男性被害者にも配慮するとともに、セクハラ根絶に向けた拠点としての機能等も発揮できるよう取り組むこと。
7)昨年度立ち上げた「えひめクールチョイス大作戦」は、県民や自治体から好評で、昨年12月には国交大臣表彰を受賞するなど高い評価が得られている。県民総ぐるみの地球温暖化対策として、取組みの継続とさらなる拡充を図られたい。
8)県衛生環境研究所は、設置から46年が経過し老朽化が進む一方、公衆衛生の拠点としての重要性が年々高まってきている。関係機関との連携に便利な立地への移転や拠点機能の強化も含め、建替えを検討されたい。
9)本年4月のエネルギー・危機管理対策特別委員会において、災害情報の住民への伝達体制について説明が行われたが、今回有事の際、どのような課題を残したか徹底的に検証し改善を図られたい。
10)大洲市や西予市等の被災地において、ハザードマップで示された浸水想定区域と今回の被害区域を比較したところ、ほぼ一致したことから、ハザードマップの有用性があらためて確認された。県は自治体と連携し、県民の防災意識の向上を図るとともに地域防災力の強化に向けたハザードマップ活用を強力に推進すること。
11)大洲市の三善地区では肱川の氾濫に際し、独自の防災マップの作成や首から提げる避難カード配布等の事前準備により続々と公民館に避難し人的被害は出なかった。今回の災害におけるこうした有効事例を収集分析し、県下市町で共有しながら、各地域の防災力強化につなげること。
12)西日本豪雨により県内17市町で約53万トンの災害廃棄物が発生し、処理に約140億円、来年6月までの期間を要することとなった。被災自治体では災害廃棄物処理計画が未策定であったこと、豪雨災害はどの自治体でも起こりうることなどから、県下自治体の災害廃棄物処理計画策定が速やかに進むよう指導助言を図ること。
13)被害状況の把握等においてドローンの有用性があらためて確認できた。発災の初動段階での人命救助や不明者の捜索といったドローンが有する効用を最大化させるべく、機器の配備拡大、人材育成の強化に取り組むこと。
14)災害復旧にボランティアの果たす役割は大きい。特に発災当初、受付窓口である各市の社会福祉協議会も混乱し、スムーズな受け入れが出来なかった印象がある。手慣れたNPOは、独自の動きで住民ニーズに沿った活動を展開していた。行政とNPOやボランティアとの協議の場も設置されているが、県においては、日頃からNPOとの連携の中で総合的な司令塔の役割を展開されたい。
15)被災者支援システムについて、罹災証明の発行や避難の際の災害時要配慮者の把握など、自治体業務を円滑に進める上で、最適なシステムとの認識で我々は推進してきた。もちろん使い勝手が良い他のシステムがあれば、拘るものではないが県下統一の方向で検討されたい。
【保健・福祉】
1)子ども医療費無料化の対象について、四国の県都では松山市だけが就学前までとなっており、全国43の中核市においても9割以上にあたる40市において県からの補助率が1/2となっている。少子化対策の観点から、本県の松山市に対する補助率を現行の1/4から1/2に増額頂きたい。
2)本年3月に痛ましい女児虐待死事件が発生した。児相間の連携不足が指摘されているが、本県における引継ぎルールの見直しや、幼稚園等に通っていない、乳幼児健診を受けていないなど、安全を確認できていない子どもの実態を把握するとともに、児童福祉司の増員を図るなど虐待防止対策の強化に努めること。
3)災害関連死を防ぐために、被災地の避難所運営において国際基準であるスフィア基準(例:1人あたりのスペースは最低3.5平米、トイレは20人に1つの割合、男性トイレと女性トイレの比率は1:3等)の導入を検討すること。
4)南予各市町の中核病院では一時期、浸水や停電、断水などにより医療提供が困難になる状況が生じた。長期化を免れ事なきを得たが、あらためて県下の医療機関に対し、水害をはじめ災害対策の強化が図られるよう取り組むこと。
5)今回の豪雨災害におけるあらゆる想定外を新たな知見に加え、かつ教訓として、大規模災害が発生した際の災害医療体制についてさらなる強化を図ること。
6)障がい者の就労について、県を含め公の機関が実態と違う状況を公表していたことは非常に残念。早急に是正するとともに、民間企業に対しても実質的に障がい者雇用を推進されたい。(経済労働部とも連携)
【経済・労働】
1)昨年、本県と経済交流協定を締結している大連市に、北東アジア向け貿易の戦略的拠点として大連保税区(自由貿易区)が開設された。中国国内で越境EC市場が急速に拡大する中、同保税区の活用
は本県にとっても大きなビジネスチャンスであり、県内企業や県産品の輸出拡大に向け積極的に取り組まれたい。
2)グループ補助金に対しては、高い評価とともに、手続きが複雑との声も聞く。適切な助言と手続きの簡素化を図るなど、商店、工場はじめより多くの中小企業が活用できるよう配慮されたい。
3)本県独自の被災した小規模事業者に対しての補助金は大いに評価をするところ。円滑に申請が進むよう配慮されたい。
4)障がい者の就労について、県を含め公の機関が実態と違う状況を公表していたことは非常に残念。早急に是正するとともに、民間企業に対しても実質的に障がい者雇用を推進されたい。(保健福祉部とも連携)
5)被災地観光補助について、熊本地震の際の九州への対応のように1県だけの宿泊でも補助が出るよう国に対して強く要望されたい。また、高速道路の割引についても、既存のドライブパスに加えて優遇措置を要望されたい。
【農林水産】
1)来年4月に県林産業研究センター(久万高原町)内に新設されるCLT研究拠点について、強度データの取得・整備・活用やCLT普及協議会・東予インダストリアルパークCLT工場等との連携により、媛すぎ・媛ひのきといった県産材の利用と販路拡大につなげ、本県林産業の成長化を図ること。
2)県内の防災重点ため池355箇所の内ハザードマップ作製済みは昨年度末で241箇所だが、未作製の箇所について避難対策と併せて取り組みを加速すること。
3)西日本豪雨により南予の樹園地が壊滅的な被害を受けた。かんきつ王国愛媛最大の産地として、戦略的な農地の集積・集約化と園地の再編成、及び改植・品種改良等にも取り組み、従前以上の産地復興を実現すべく取り組むこと。
4)養殖漁業においても、赤潮・水潮による魚の大量斃死や死魚の回収廃棄、網や生簀をはじめ漁具の損壊など深刻な被害が生じており、再興に向けた支援に取り組むこと。
5)漁業者の高齢化、更に後継者不足が顕著。漁獲量も魚価も低迷している現状の要因の一つに、圧倒的多数の遊漁船の操業がある。漁業者を守るために遊漁船の総量規制を図ること。
【土木・建設】
1)本年6月、大阪北部地震で倒壊したブロック塀の下敷きになり女子児童が亡くなるという痛ましい事故が発生した。わが会派からも既に要望を申し入れたところだが、学校施設における安全性確保の推進とともに、民間ブロック塀について適切な改善が進むよう、撤去費用支援も踏まえ対策を講じられたい。
2)西日本豪雨を含む近年の豪雨では、土砂の流出による河床の上昇や流木等による橋梁での河道閉塞の発生により、中小河川が決壊、氾濫するケースが多発している。これまで河床掘削については維持補修の範囲内で遅遅として進まなかった実情があるが、防災上の観点から中小河川の安全対策について総点検を行い、抜本的に見直しを図ること。また必要に応じ改修するとともに、住民に対する水害リスク情報の周知や防災意識の啓発に努めること。
3)台風シーズンにおける二次災害を防止するため、まずは今回損壊した河川の河床掘削と護岸整備、道路、ため池の改修など、優先される社会基盤整備に全力を挙げること。
4)地球温暖化による豪雨の増加を想定し、治水計画を抜本的に見直すとともに、国に対しダム操作の検証と見直しを強く求めること。
5)2026年完成予定の山鳥坂ダム(大洲市)の建設にあたっては、西日本豪雨被害の検証を踏まえ、洪水調節機能と治水能力を最大限に発揮できるよう国としっかり連携し取り組むとともに、水源地域に対する生活支援、地域振興策にも万全を尽くすこと。
6)玉川ダム湖における土砂の流入防止対策等について、昨今の突発する集中豪雨や台風の影響により、堆砂量の増加やダム機能の低下が懸念される。ダム機能の維持向上及び延命対策を図られたい。
7)県道38号今治波方港線外1線のバリアフリー整備の推進について、当該路線における未整備区間の早期着手をお願いしたい。
8)災害対応において、砂防堰堤の整備・災害廃棄物の早期処理に向けた国の補助率の引き上げを強く要請されたい。
9)重信川について、18号台風で漏水場所が発見。今回の豪雨での増水で、西高柳の前回漏水した所で水が湧き出すという事態が発生。改修対策を国に対して強く要望されたい。
10)県道の維持管理について、県道の植栽が伸びて見通しが悪くなったり、ラインが消えていたりして交通安全上も問題の箇所がある。計画的な総点検を図られたい。
11)松山市の高浜地区の土砂崩れ対策について、今後の二次災害への不安もあり、県と市の連携を図って速やかに実施計画・工事着手を図ること。
【公営企業】
1)発電事業、工業用水道事業ともに、ダムの老朽化・耐震対策など安全管理に万全を尽くすとともに、西日本豪雨の検証等を踏まえダム操作に関しても国、自治体と連携し、適切な見直しを図ること。
2)県立今治病院が、救急医療の充実をはじめ、圏域の医療提供体制を維持するためにも、早期の建て替えを図られたい。
【教育】
1)台風12号が接近する中開催された本年の書道パフォーマンス大会では、主催者である実行委員会と県教委で実施に関する判断が異なり、疑問を呈する声が多く寄せられた。今後、文化・スポーツ全ての部活動、大会等において生徒の安全と成果発表の場の確保を両立すべく、学校・関係団体とともに運営ルール・判断基準について見直しと共有を図ること。
2)本県児童生徒数は本年、S30年代のピーク時に比べ1/3以下に、学校数も1/2以下となった。今後も減少は続き、自治体ごとのフルサービスの限界も指摘される中、広域調整を担う県として、圏域に範囲を広げた学校教育のあり方など、しっかりとした中長期ビジョンを構想すること。
3)本年6月、大阪北部地震で倒壊したブロック塀の下敷きになり女子児童が亡くなるという痛ましい事故が発生した。わが会派からも既に要望を申し入れたところだが、先般文科省から依頼のあった「学校施設におけるブロック塀等の安全点検等状況調査」の結果を踏まえ、早急な安全性確保の推進を図ること。
4)災害級といわれる暑さの今夏だが、来年以降の常態化も視野に入れ、教育・文化・スポーツ各分野で総合的な暑さ対策を講じること。特に、本県公立小中学校のエアコン設置率は5.9%と低く、可及的速やかに設置が進むよう取り組まれたい。
【警察】
1)貨物集配中の車両による短時間駐車に対し一般と同様の駐車規制がかかることについて、地域経済活動にデメリットを及ぼしているとの声がある。本年2月、警察庁から都道府県警に対して、一定の範囲での駐車規制の見直しを行う旨の通達が出されたが、交通安全と円滑な経済活動の両面から適切な判断と規制緩和を求めたい。
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 06:36