「皆様、おはようございます。公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。
爽やかな週明けとなりました。今日もとても暑い1日となりそうですが、熱いといえばサッカーワールドカップ。連日熱戦が続き、寝不足の方も多いと思いますが、明日はいよいよ日本代表の初戦となります。ぜひ力を出し切って勝利することができますよう、全力で応援したいと思います。
さて、先週は3泊4日の日程で、日中友好促進愛媛県議会議員連盟の一員として、本県理事者とともに中国・大連市を視察訪問してまいりました。本日は、その概要についてご報告したいと思います。
ご案内の通り、本年は日中平和友好条約締結40周年という節目にあたります。
両国間の関係改善の機運が高まる中、全国各地で様々な記念行事が行われておりますが、愛媛県では今から24年前、県レベルでは最も早い1994年に大連市と経済交流協定を締結し、経済交流団の相互派遣や各種の展示会出展など交流を重ねてまいりました。
今回の視察訪問は、そうした両国・県市の交流関係を継続し発展深化させるため、又、大連市に進出した県内企業の後押しと新たなビジネスチャンスを創出することを目的に行われました。
移動時間を除けば実質2日間という非常にタイトな日程ではありましたが、おかげさまで大変有意義な交流を結ぶことができたと思います。
現地到着後、最初に向ったのは在瀋陽総領事館・大連領事事務所であります。
丸山所長から大連市の政治経済の現況等をお伺いした後、愛媛県の田中経済労働部長から県内企業に対する協力と交流発展の要請を行い、その後、私たちを含め意見交換が行われました。
お話によりますと、大連市は歴史的な経緯もあり対日感情は非常に良好ということで、経済面におきましても、1984年の改革開放政策、いわゆる市場経済の導入以降、直近でも前年比7%増を示すなど順調に推移しており、1人あたりのGDPでは、北京、上海を上回り、広州に次いで国内第2位とのこと。
又、近年は、両国の官民双方とも、交流が一段と活発になってきているとのことでした。
次に、大連市の人民政府を訪問し、人民対外友好協会の幹部各位と今後の交流のあり方について意見交換を行いました。
有難いことに、大連市から本県に対する提案が非常に意欲的、具体的でありまして、面談時間のほとんどを占めるほど熱の入ったものであり、正に経済同様、今の大連市の勢いというものを実感いたしました。
本県理事者にとりましてもいい意味での宿題をたくさん頂いたと思いますし、議連といたしましても相互の経済、友好の更なる発展につながる手がかりを得た交流の場になったかと思います。
翌日は、今回のメイン行事であります「第4回日本商品大連地区巡回展」を、視察。
オープニングセレモニーでは、本県の田中経済労働部長、日中友好議連の黒川会長が壇上にて紹介されました。
ちなみに前夜に開催されたレセプションでは、大勢のご来賓が参加する中、田中部長が登壇し、愛媛県の魅力を存分にアピール。私たち訪問団もそれを受ける形で、大連市の関係各位と民間交流の対話に花を咲かせることができました。
さて、今回の巡回展には県内企業6社(加工食品・化粧品・日本酒)が出展しておりまして、私達は各社のブースで現況などお伺いしますとともに、大連市政府・友好協会に対し、販路開拓の支援要請などを行いました。各出展企業の皆様のさらなる業績拡大と、次回の出展増に向けて後押しをしてまいりたいと思います。
次に向ったのは「大連保税区」です。
保税区とは、中国の税関により設置された特別経済区域のことで、自由貿易試験区とも呼ばれています。
保税区は上海など11の都市にあり、いわば中国国内と世界の市場を結ぶ拠点なのですが、その中でも大連保全区は、主に日本と韓国など北東アジア向けの窓口として位置づけられ、中国東北地域の振興を牽引する重要拠点とのことでありました。
特に、今年から本格的に始まった「新・越境EC制度」、いわゆるインターネット通販による国際的な電子商取引ですが、近年凄まじい勢いで伸びており、その動向について国内外から大変注目されているところであります。
例えば、一般の貿易ですと関税が平均で25%かかりますが、自由貿易試験区である保全区では11.2%と半分以下に抑えることができるのです。
また保税区では、輸入手続きが簡素化され配送スピードが大幅に短縮されますので、輸出元である日本の企業も中国国内の消費者も、時間・コスト共にメリットを享受することができる、そんなしくみであります。
今後、本県企業の販路拡大、輸出拡大に向けて、大連保全区との連携強化がいかに重要であるか、認識を新たにする思いがいたしました。
最後に向ったのは、県内企業の「神野食品有限公司」。
同社は松前町に本社を置く水産品の加工販売会社でありますが、私が一番驚いたのは大連市進出のきっかけでありました。
お話によりますと、数年前ブームとなった中国人観光客の爆買いがきっかけだったのです。
当時、ドンキホーテで爆買いをするというのが中国人観光客の1つの消費パターンでありましたが、その売れ筋商品の中に同社の商品があったのです。
小学校の給食などでもお馴染みの、いわゆる「アーモンドいりこ」です。
本国に帰った観光客の方々の“中国国内で食べたい”という声をリサーチした結果、大連市への進出、現地生産・加工販売することを決められたのだそうです。
チャンスを逃さずビジネス拡大につなげた神野食品様に敬意を表しますとともに、今後さらなる業績拡大をお祈りしたいと思います。
また、現在、松山市も愛媛県全体としてもインバウンドの増加が続きますが、一方で、帰国後に対するフォロー、あるいはそれぞれの本国でのリピート市場など、まだまだ手つかずのビジネスチャンスが広がっていることを、私自身、痛感させられた次第です。
今回得た貴重な知見を、県政発展のために、そして両国のさらなる友好拡大につながるよう生かしてまいりたいと思います。
最後に、今回の訪問視察にご尽力を頂きました関係各位に心から感謝を申し上げ、本日のご挨拶とさせて頂きます。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 16:50