「皆様、おはようございます。公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。
早朝から汗ばむ陽ざしの本日は、30度近くまで暑くなる見通しだそうです。くれぐれも体調管理にお気をつけてお過ごし頂ければと思います。
さて、先週もお伝えしました通り、公明党では現在「100万人訪問・調査」運動に取り組んでおります。私も先週は、約50名の方々からお話をお伺いいたしました。
中でもとりわけ関心が高いと感じるのが「防災・減災」についてであります。
“大雨の際、河川の氾濫、浸水被害が心配”、また、“土砂崩れや塀が倒壊しないか不安”といった声の他、一番多く聞かれたのが、いわゆる“特定空き家”に関する声でありました。
そこで本日は、この問題に関する国の動向についてご報告したいと思います。
まず、大きな流れから見ますと、わが国の人口は2008年をピークに減少に転じ、人口減少時代に突入しています。
そして今から5年後の2023年頃をピークに、今度は世帯数が減少していく時代に入るといわれています。
そうなりますと、今も増えている空き家がさらに増える可能性が出てまいります。
あるシンクタンクでは、20年後には空き家率が3割を超える、つまり、3軒に1軒は誰も住んでいない“空き家社会”が到来すると予測し、警鐘を鳴らしています。
そうした観点から、国においては今から3年前、空き家対策特措法を施行し、市町において対策を進めるという枠組みを作りました。
地元松山市であれば住宅課というふうに、各自治体に相談窓口が設置されています。
この法律の基本的な考え方は、“空き家の中でも利用できるものは利用し除却すべきものは除却しながら地域のまちづくりを支援する”というものですが、
実際には利用が困難な空き家が多く、「所有者が不明」、「境界が確定しない」、あるいは「固定資産税」や「撤去費用」といった様々な理由によって対策がなかなか前に進まず、市町での対応の限界ということが、かねてから指摘されていたのです。
こうした状況に対応すべく、現在、様々な法整備が進められようとしています。
例えば、本年3月に閣議決定された「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特措法案」。
これは、“所有者不明で反対する権利者も不在かつ建物がなく利用されていない”という土地については、“国や都道府県ができるだけ所有権を取得しやすくし、10年を上限に都道府県知事が利用権を設定することができる”というものです。
加えて、登記簿や住民票、戸籍といった客観性の高い公的書類や権利者関連の情報を利用したり提供できるようにする、つまり“できるだけ所有者を探索しやすくする制度変更”であります。
こうした法整備が、行き詰まり感のあった空き家問題の解決に向け突破口になるよう期待を寄せたいと思います。
また、空き家と跡地の活用促進につきましては、
例えば、親から空き家を相続したご子息が耐震リフォームして他人に譲渡したり更地にして譲渡した場合、その譲渡で得た所得から3000万円が特別控除されるという制度が一昨年、期間限定で創設されました。
これは、相続税にインセンティブを付与することで空き家と跡地の有効活用を促進させる、1つの社会実験といえるでしょう。
その他、建築基準法の改正についても本年3月に閣議決定されましたが、これは戸建て住宅の用途転用をしやすくするものです。
例えば、空き家を福祉施設や商業施設など他の用途に変更する場合、現状では大規模な改修工事と複雑な手続きが必要となりますが、そこを思い切って合理化して障害となっていたハードルを下げようとするものです。これによって、空き家の活用の幅と可能性は大きく広がります。
この「空き家問題」につきましては私も、昨年の2月定例会で取り上げ、質問を行いました。
県下の現状と課題について質しますとともに、
今打つべき手として“可能な限り特定空き家にさせない取組み、未然に発生を抑制する取組みの必要性”を訴えたのであります。
それから1年が経ちますが、この間に県の人口は1万人以上減少しました。それに比例する形で空き家も増加していると推測されます。
短期間の内にも刻々と進展・変化するスピードの速さに、強い危機感を感じてなりません。
100万人訪問調査活動で皆様からお寄せ頂いた「特定空き家に対する不安」の払拭に全力を上げますとともに、
5年後から始まる「世帯数の減少時代」に備え、そして20年後に到来する「3軒に1軒の空き家社会」を可能な限り回避できるよう、全力で取り組んでまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 18:21