視察2日目、最初に向かったのは北九州市役所。
こちらでは、先進的介護の実現に向けた国家戦略特区の取組みについて保健福祉局の担当者からお話を伺いました。
本県同様、人材不足、高い離職率という介護現場が直面する課題に対し、世界的有力企業や学術研究機関の集積といった政令都市としてのポテンシャルを活かした構想の下、めざしたのが「産学官民連携による介護ロボット等を活用した先進的介護」という事業モデルでした。
その実現をめざし、同市では2年前から国家戦略特区制度を活用し取り組みを進めているのです。
先進的介護は、介護ロボットの開発、実証、社会実装、導入といった4つのフェイズからなり、初年度は介護施設における作業をできる限り数値化し分析を行い、昨年度からは介護施設事業者に協力を頂き介護ロボットを導入、その効果について実証を開始しました。
具体的には、介護従事者の立場から“作業の効率化や労働環境の改善に繋がっているか”、介護利用者から“介護の質の向上が図られているか”、開発メーカーから“ロボット産業の今後の振興に繋がるか”といったそれぞれの観点からロボット投入前後のデータを計測。
そしてその結果については、医療・福祉・介護等の専門家からなるワーキンググループや、法学・倫理学等の専門家からなる倫理審査委員会などで審査・助言を行い、ロボット開発コンソーシアムにフィードバックするというサイクルを回しながら、北九州市オリジナルの先進的介護の姿に一歩一歩近づきつつあるとのことでした。
本県自治体とは規模も環境も全く異なりますが、北九州市にはぜひ介護ロボットのトップランナーとしてぜひ先進的介護を確立して頂きたいと思いますし、
その実現が人材不足や高い離職率といった全国の介護現場が抱える課題の解決につながり、来るべき超高齢社会における新たな社会インフラとなることを心から期待したいと思います。
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 19:00