視察最終日の本日は、福岡市郊外の拓新産業㈱様に伺いました。
同社は建設資材等のリース事業を展開する中堅企業ですが、実は30年前から独自の働き方改革を進め、バブルがはじけ人口減少・少子高齢化に直面する中において、人材確保と生産性向上のいずれも実現されているとのことで、この間の取組みについてお忙しい中、社長自らレクチャを頂きました。
30年前に働き方改革を進めるきっかけとなったのは、地元で開催された合同会社説明会とのこと。
会場には40~50社の企業ブース、400~500人の学生が参加されて盛況でしたが、同社のブースにはとうとう最後まで誰も来なかったのです。その時、言葉にできないくらいのショックを受けられたそうです。
それから社長は考えを抜本的に改め目指したのが、完全週休二日制、有給休暇の完全消化、残業ゼロ、休日出勤ゼロというものでした。
当時、国内経済はバブル直前の絶頂期を迎えており、働けば働くほど儲かる時代であり、そういう時代に有給休暇や残業をゼロにするいう発想も、実行に移すことも、私には到底考えられないことですが、周囲からも大反対に会う中、社長は意に介さず実践を開始されました。
まずはやってみる。やってみてできなければ、何が課題か見えてくる。課題がみつかれば、1つずつ解決していく。すると、いつかできる。だから、まずやってみる。
そうしたこれまでの慣習や常識に囚われない発想で、営業日報や会議を一切廃止する一方、社員の自主性を活かした体育活動、サークル活動、広報委員会、社内研修、表彰制度など新たな取り組みを次々に取り入れたそうです。
そうした取り組みが実を結び、これまで新卒採用に関しても着実に確保する状況が続き、離職率も大きく下がり、女性の比率と活躍の場が広がり、直近の利益は30年前の実に10倍に拡大したそうです。
めざすのは、強い会社。
そう言い切る社長の姿に、30年間経営改革に取り組み結果を出してきた自負と誇りを感じました。
同社の今後ますますの発展を祈念いたしますとともに、今回得た貴重な知見を本県の働き方改革につなげてまいりたいと思います。
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 21:00