視察2日目は引き続き、川口市の増幸産業株式会社を訪問。
夢の新素材といわれる「CNFに関する取り組み」について調査を行いました。
同社はダイヤモンド以外のあらゆる物質を超微粒化する100年企業で、最先端の摩砕技術により数々の賞を受賞。昨年には栄えある渋沢栄一ビジネス大賞が贈られています。
冒頭、社長が語られた同社創業エピソードには“ものづくり日本”の魂を、社是には中小企業の真骨頂を見る思いがしましたが、話を本題に戻しますと、同社ではCNF製造装置を開発・販売しており、その製造方法や市場の現況、量産化への課題についてお話を伺いました。
CNFは植物繊維をナノサイズにまで解きほぐした状態の素材で、鋼鉄の1/5の軽さで5倍以上の強さを持ち、熱による変形もガラスの1/50程度と小さく、植物由来であるため環境負荷の少ない持続型資源として高い注目を集めている最先端素材です。
経済産業省によると2030年には関連市場が1兆円に達すると予測されています。
本県は森林県としてCNFの資源に事欠くことはなく、加えて全国有数の製紙工業県でもあることから、地方創生の切り札としてその実用化・産業化をめざし、近年その研究開発に余念なく取り組んでいるところですが、用途開発とコストが最大の課題といわれています。
同社によりますと、用途開発による量産化が進めば現在の製造コスト1kgあたり5,000円~10,000円が500円以下に抑えられることも可能とのこと。
そうなるとCNFの普及は一気に広がり、本県にとっても嬉しい悲鳴が聞こえてきそうですが、同時に、最大の課題である用途開発の答は “果たしてCNFは何に取って代わるべきか” という問いと表裏であるとも感じました。
今回の視察成果が、本県経済の振興と発展につなげられるよう今後の活動に活かしてまいりたいと思います。
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 20:30