「皆様、おはようございます。公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。
先週末は「県民総合文化祭総合フェスティバル」や「愛媛すごいもの博2017」の他、県下各地で防災訓練、文化祭、スポーツ大会など様々な行事が行われ、私も多くの方々と交流を深めさせて頂きました。又、途中訪れた久万高原町では、染み入るような紅葉の美しさに言葉を失くすほど心が癒されました。
ぜひ皆様も、四季の移ろいを感じながら、この季節ならではの感動をお楽しみ頂ければと思います。
さて、本日のご報告は、そうした中、先週14日に行われた「愛媛県原子力防災訓練」についてであります。
この訓練は、東日本大震災の翌2012年から毎年実施されているもので、今回は地震によって伊方原発3号機の全電源が喪失し、放射性物質が周辺に放出されると想定し行われました。
県内20市町や大分県、国など100機関、約23,000人が参加し、私も同行して参観を行いました。
中村知事がいつも言われますように、原発立地県である本県としましては、原発の安全対策にも、万一を想定し行う原子力防災訓練にも、決して“これで大丈夫”というゴールはありません。
ゆえに県では、毎回訓練後に実施結果の検証と課題の抽出を行い、翌年の訓練に反映させながら取り組みの精度を高めています。
その意味で今回は、小型無人機ドローンによる避難経路の状況確認、臨時災害FM放送による情報発信、
さらには、避難中のバスや海上自衛隊輸送艦「しもきた」での広域避難計画啓発用DVD講習や、TV会議による中村知事から大分県知事への避難受入準備要請テストなどを新たに取り入れ、
その他にも、大分側への海路避難の人数の拡大、到着する港を増やすなどの拡充を行いました。
とりわけ、伊方町の瀬戸球場からドローンを飛ばし、避難道路の被災状況の映像を県庁の災害対策本部に中継する実証試験は、全国初の取り組みで注目を集めましたが、無事成功し貴重な経験値を得ることができたと思います。
また、前回のアンケートで、住民の皆様から“避難の際、防災行政無線が聞こえにくい”という声が少なくなく、今回、臨時災害FM放送を導入実施しましたが、その有効性が今後どのように検証されるのかについても注視したいと思います。
私は、伊方町ムーンビーチと三崎港の2ヵ所で住民が海路避難する様子を参観すると共に、原発事故時には司令塔となる西予市のオフサイトセンターで100の機関が連携する全体会議の様子を確認しましたが、
訓練当日は雨天でコトのほか寒く、ご参加頂いた住民の皆様に心から感謝申し上げますとともに、緊張感を持って最後まで任務に当たられた全ての関係者に深く敬意を表したいと思います。
さて、避難訓練に関連してですが、今から2年前、私は原子力政策の視察でNRC米国原子力規制委員会を視察しました。
その際、最も強く印象に残ったのは、原子力に関する緊急事態に備える“仕組み”でありました。
米国では、NRCを軸とした緊急連携システムが、連邦政府はもとより州レベル、原発立地点レベルで緻密に構築されており、スリーマイル島原発事故以来、実践的な避難訓練が毎年重層的に行われているのです。
またNRCでは、避難訓練の日程や緊急コールセンターの番号の他、
“サイレンが鳴ったらこうしましょう”、“ここを通ってこちらへ避難しましょう”といった緊急情報の入ったカレンダーを、原発から半径10マイル(=16㎞圏内)の全戸に配布していて、緊急事態に備える重要な情報が市民生活の中に完全に組み込まれているように感じました。
そこで私は、帰国後すぐの12月定例会本会議で「広域避難訓練のあり方」について取り上げ、
「本県においても、米国のようにあらゆる緊急事態を想定しながら、避難訓練を始めとした原子力防災対策の推進に官民挙げて取り組むべきである」と提言を行いましたが、
おかげさまで、県原子力防災訓練が年々水かさを増すように参加者を増やし、知見を更新しながら取り組みが前進していくことを大変心強く思います。
引き続き今後とも、伊方原発の安全対策、そして原子力防災対策、さらには地震や豪雨などの防災減災対策に全力で取り組んでまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 23:00