「皆様、おはようございます。公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。
先週は出張のため2週間ぶりのご挨拶となりますが、初夏を感じさせる爽やかな週明けとなりました。今週もご安全に、どうぞ宜しくお願いいたします。
さて、ほぼ1週間東京に滞在し、様々な活動を行ってきた先週ですが、出席会合の1つに「~前例から創造へ~人口減・高齢化を乗り越える」をテーマとした日本自治創造学会の研究大会がありました。
2日間にわたって行われ、経済学者であり国の財政制度等審議会会長の吉川洋・立正大学教授や小池東京都知事を補佐する上山信一・慶応大学教授、キヤノングローバル戦略研究所の小林慶一郎・慶応大学教授など、錚々たる顔ぶれによる貴重な講演を軸にディスカッションが展開されました。
本日は、その中から総務省の地域力創造アドバイザーである牧慎太郎さんの「人口減少社会における地域づくりの展望」と題した講演の一部、特に印象に残った部分についてご報告したいと思います。
皆様ご承知の通り、日本は2010年から人口減少時代に突入しておりますが、現在約1億2000万人の人口が2100年には半減するといわれています。
6000万人というのはほぼ昭和元年の人口と同じです。そして2100年というとずいぶん遠い未来に感じられますが、今年生まれた赤ちゃんの大半が存命することを考えますと、手が届くほどに身近な次世代の話でもあります。
一方、世界はと申しますと人口増加が極めて深刻であり、20世紀初頭に16億人であった人口が現在74億人、そして国連の予測では2100年に112億人を超えるとされ、既に食料や水、エネルギー資源の限界が懸念されているところであります。
人口減少と人口増加。それぞれに課題が異なるのはもちろんですが、わが国が直面する人口減少、その一番の課題は何かということについて、牧さんは人口の年齢構成と地域間の格差を挙げ、それを乗り越えるカギは「生産性の向上」にあると述べられました。
私がいつも申し上げるイノベーションを指すと思いますが、生産性の向上、例えばAIの活用等によって今のGDP水準を維持することができれば、人口1人あたりで考えるとむしろ豊かな社会を実現することができるということです。一言次ぐなら私は、地域ごとにそうした実感が持てる社会を創り出すことが真の地方創生であり、政治の責務と考えます。
次に、人口減少の最大の課題である年齢構成の偏りや地域間の格差については、高齢化、少子化、生産年齢人口の減少という3つの角度から対策が必要とのことでありました。
ざっくり一言で申しますと、高齢化対策は健康寿命を延ばすこと、少子化対策は制度をはじめ地域や社会が総ぐるみで子育て支援を行うこと、生産年齢人口対策は知的付加価値を生み出せる人材と女性・高齢者が活躍できる環境を創ることであります。
これはいずれも、私がこれまで本会議等で行った提言と同じ主旨であり、更に確信が深まる思いがいたしました。
そして最も重要な点は「人口の維持そのものを目標としない取組み」であり「持続可能な出生数を重視する政策」であるとした点も共感するところです。
各論の話では、少子化の課題の内、特に核心と私が感じたのは未婚化・晩婚化の現状です。
2015年現在、生涯未婚率は男性23.4%、女性14.1%。女性の平均初婚年齢が29.4歳、第1子出生時の平均年齢が30.7歳。
これらの数字は、親となる世代と機会が以前より狭まっていることを意味するもので、少子化の改善にとっては大きな課題であります。結婚したい、子どもを持ちたい若者の希望を阻害する要因を解消し、安心が広がる環境整備を急がなければなりません。
このほかにもお伝えしたい内容は多岐にわたりますが、本日は、先週行われた日本自治創造学会研究大会の中から講演の一部をご報告させて頂きました。
今回得た貴重な知見を県民生活の向上、県政の発展にしっかり反映できますよう全力で取り組んでまいります。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 20:00